シドニー・オペラハウスは、ユニークな方法でInstagramを活用し、500万人のInstagramユーザーにオペラハウスの魅力を伝えることに成功しました。
シドニー・オペラハウスは20世紀を代表する近代建築物です。オーストラリアのシンボルとして、世界的にも有名な観光地になっています。
ヨットの帆や貝殻をイメージした複雑で有機的なデザインが特徴です。デザインの複雑さから、建設は困難を極め、1959年の着工から1973年の完成まで、24年もの歳月をかけて建てられました。
2007年には、世界遺産に登録されています。完成からわずか30年で世界遺産に登録されるのは異例のことで、世界で最も近代に作られた世界遺産としても知られています。
そんなオーストラリアのシンボルであるオペラハウスの周りには、連日たくさんの人が訪れます。
しかし、多くの人は建物の周りで写真を撮影するだけで、中々オペラハウスの中に足を運ぼうとしません。
残念なことに、実際に建物の中を訪れる人は、1%未満です。
そこで、シドニー・オペラハウスは、実際にオペラハウスを訪れてもらうためのキャンペーンを企画しました。
オペラハウスの周りで写真を撮影した人の多くが、その写真をInstagramに投稿しています。
例えばこれは、ナディアさんがInstagramに投稿した写真。
オペラハウスでは、システムを使って、Instagramに投稿されたオペラハウスの写真をリアルタイムに探します。これには写真のジオタグ(位置情報)を活用しています。
写真が見つかったら、オペラハウスのスタッフが、「こんにちはナディア、私はオペラの衣装コーディネートをしているの。よかったら建物の中に来て衣装を着てみない?」と、Instagramで写真を投稿したユーザー宛にビデオメッセージを投稿します。
ビデオメッセージを見たユーザーがオペラハウスを訪れると、素敵な体験ができます。
ナディアさんは、オペラの衣装を試着することができました。
メッセージは「キッチンに来ない?」とか、「一緒に写真を取らない?」などスタッフがリアルタイムに撮影した映像が送られます。
オペラハウスを訪れた人は、自分だけのユニークな体験ができます。
キッチンを見学したり、
キャストと写真を撮影したり、
オペラの練習風景を見学したり。
素晴らしい体験をしたユーザーは、当然、写真を撮って自分の体験をInstagramに投稿します。
キャンペーンは4週間わたり実施され、たくさんの写真がInstagramに投稿されました。
そして、500万人以上のユーザーが投稿された写真を見て、オペラハウスの新しい魅力を知るきっかけになりました。
Instagramをリアルタイムに活用して、周囲の人々を建物に招待し、多くのユーザーにオペラハウスの魅力を伝えることに成功したユニークなキャンペーンでした。