色覚異常の人は、多くの人とは色の見え方が異なります。
たとえば、「赤色」を認識する色覚に異常があると、口紅の赤を認識することができません。美しく化粧をした女性の唇を見ても、くすんだ色に見えてしまうのです。
Wikipediaによると日本人では男性の20人に1人、女性の200人に1人が色覚異常を持っています。世界的にも男性の方が色覚異常の割合が多いと言われています。
フランスに拠点を置く、世界最大の化粧品会社ロレアル・パリは、夫が色覚異常を持つカップル3組に、口紅の「赤色」の素晴らしさを伝えるキャンペーンを行いました。
色覚異常の夫をパートナーに持つ、3人の女性が登場します。
色覚異常の夫を持つ女性としての悩みを打ちあけます。
「夫は一度も口紅やネイルを褒めてくれたことがないわ。」
「口紅の色を変えても、何の反応もないの。」
「最近では、彼は色覚異常だから仕方ないと思うようになったわ。」
もちろん、色覚異常を持つ男性側も悩みを抱えています。
「みんなと同じように赤色を見てみたいと思うよ。」
「何色に見える?と言われても、赤色は茶色と同じに見えるんだ。」
「赤色が赤色として見えないことにフラストレーションを感じるよ。」
彼らには、美しいはずの妻の唇が、くすんだ茶色に見えてしまうのです。
そこで、夫に特殊なサングラスをかけてもらうと、、、
スクリーンに映された妻の唇が、美しい赤色に見えるのです。
人生ではじめて妻の美しい唇の色を見た男性は、感動のあまり言葉が出てきません。
こちらの男性は、感動のあまり空いた口が塞がりません。
自然と笑顔がこぼれます。
そして、スクリーンの後ろからパートナーが登場します。
夫婦はお互いに駆けより、抱き合います。
そして、美しい妻の唇にキスを。
自分が見ているものが信じられなくて、サングラスをかけたり、外したりを繰り返す男性も。
人生で初めて「赤色」を見た瞬間です。
化粧品を通じて「美しさ」という価値観を提供する、ロレアル・パリ。美しいということの感動を改めて感じることができる、素敵なキャンペーンです。